キャリアアップ助成金の対象となる在留資格は?|外国人社員の正社員化で確認したいこと

query_builder 2026/10/05

「外国人の契約社員を正社員にしたい。キャリアアップ助成金は使えますか?」

キャリアアップ助成金の対象かどうかは、国籍だけで決まるものではありません。ただし、正社員化コースでは、在留資格によって対象外となる場合があります。 厚生労働省は、技能実習と特定技能1号について、在留期間に通算の上限があり、帰国を前提とする在留資格であることから、対象労働者にならないとしています。

この記事では、相談の多い**「正社員化コース」**を中心に説明します。


技能実習・特定技能1号は、正社員化コースの対象外

厚生労働省の資料では、技能実習と特定技能1号の在留資格を持つ方は、正社員化コースの対象労働者にならないと示されています。一方、それ以外の在留資格の外国人は、原則として対象になり得ます。ただし、EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者のうち、国家試験合格前の方についても対象外とされています。

ここで注意したいのは、「会社で正社員と呼んでいるか」と「助成金の対象になるか」は別の判断だということです。雇用契約を無期にしたり、待遇を改善したりしても、在留資格による取扱いを確認せずに助成金を見込むことはできません。


「それ以外の在留資格」なら必ず受給できる?

いいえ。在留資格が対象になり得る場合でも、それだけで支給が決まるわけではありません。

正社員化コースは、有期雇用労働者などを、定められた制度に沿って正社員へ転換する取組を支援するものです。会社は転換前にキャリアアップ計画を提出する必要があり、対象者の雇用期間、転換制度、転換後の労働条件や賃金など、コースの支給要件も満たさなければなりません。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」や「永住者」などの在留資格を持つ方を正社員化する場合も、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  1. 在留カードで、現在の在留資格と在留期間を確認する
  2. 転換後の仕事内容が、その在留資格で認められる範囲に収まるか確認する
  3. 転換前の雇用形態と雇用期間を確認する
  4. 就業規則などに定めた正社員転換制度と、実際の転換手続を照らし合わせる
  5. 転換後の賃金・労働時間・社会保険の取扱いを確認する

厚生労働省の資料では、外国人労働者について、支給申請時に在留カードの表裏の写しを添付する取扱いも示されています。


特定技能1号の社員を長く雇いたい場合は?

特定技能1号の方が正社員化コースの対象外だからといって、会社が処遇改善を考えなくてよいわけではありません。

賃金、評価、教育、役割の広げ方を整えることは、本人の定着にも、会社の人材育成にもつながります。ただし、助成金のために雇用契約の名称だけを「正社員」に変えるという考え方は避けたいところです。在留資格の変更を伴う場合には、転換後の仕事と在留資格の関係も含めて検討する必要があります。

また、キャリアアップ助成金には正社員化コース以外にも、賃金規定等改定コースなどがあります。あるコースで対象外という説明を、助成金全体の結論として扱わず、実施したい取組ごとに要件を確認することが大切です。


まず考えたいのは、その社員にどんな役割を担ってほしいか

外国人社員のキャリアアップを考える際、助成金の有無は大切な検討材料です。しかし、採用後にどの仕事を任せ、何を身につけてもらい、将来どのような役割を担ってほしいかを決めることが先です。

その上で、在留資格、雇用契約、人事制度、助成金の要件を一緒に確認すると、会社にも社員にも無理のない計画を立てやすくなります。

サワベ社労士事務所では、外国人雇用と人事労務の両面から、雇用形態の見直しや人材育成についてご相談をお受けしています。


※2026年9月時点の公表資料に基づく内容です。申請に当たっては、取組を実施する時点の支給要領と、個別の在留資格・雇用条件をご確認ください。



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株式会社エルシード

住所:静岡県藤枝市藤枝4丁目2−2

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